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コンプライアンス作成の重要性は理解しつつも何から始めればいいか分からない。あるいは、急遽設置されたコンプライアンス専任部署で担当に任命され困っているという方は意外と多いことでしょう。

企業のブランドイメージや信頼性の維持のために必要なこととは理解しつつも、実際にコンプライアンスマニュアルを作成しようとするとなかなか前に進みません。

しかしそうした状況下でも、コンプライアンス違反は発生します。従って、企業は早急にコンプライアンスマニュアル作成に取り組まなければなりません。

そこで今回は、コンプライアンスの明文化において、行動規範や行動基準などの作成ポイントについて解説していきます。

 

コンプライアンスの基本をおさらい

まずはコンプライアンスの基本についておさらいしておきましょう。日本語で「法令遵守」と訳されるコンプライアンスですが、企業並びに従業員が遵守すべきは法令だけでなく、社会的な倫理にまで及びます。

法規範

行政として定められた法律や条例、法的な拘束力を持つ規則

社内規範

組織内で定められた業務マニュアルや業務規則など

倫理規範

職務上、遵守しなければならない企業倫理や、人として守るべき社会的倫理

 

上記3つの規範を守ることこそがコンプライアンスであり、「方に触れる行為さえ取らなければいい」というわけではないのです。

 

コンプライアンスマニュアルに決まりはない

基本を確認したところで、コンプライアンスの作成ポイントに移ります。第一に、コンプライアンスマニュアルに「決まり」はありません。企業のコンプライアンスマニュアルを見てみると、各社多様なマニュアルを作成しています。

ただし、基本的なポイントで言えば変わらない場合が多いようです。

ここで「企業理念の再認」「行動規範」「行動基準」に分けて作成ポイントを解説します。

基本理念の再認

基本理念とは言わば「企業理念」であり、第一に企業が掲げる基本理念を改めて確認することが重要です。あるいは、まだ基本理念が存在しないという企業では、「企業が存続してていくために取り組んでいる理念やモットー」を考えてみましょう。

安心安全で質の高い商品を提供すること、それに伴いお客様からの信頼性を築き上げること、地域に密着した経営で自治体を活性化させること、偽りのない情報開示で誠実な経営を目指すこと、従業員並びにその家族が安心して働ける職場を提供することなど、様々な基本理念が考えられます。

この基本理念は、コンプライアンスマニュアルの根幹にもなる部分です。既に基本理念がある企業では再認を、まだ基本理念がない企業では考えることから始めましょう。

行動規範

行動規範とはある状況下において、どのような言動が適切か、行動するかしないか、すべきかすべきでないか、望むべきまたは避けるべき人格特性基準です。かみ砕いて言えば、組織の一員として行動する際の手本や模範という意味になります。

分かりやすく、実際の行動規範を例に挙げてみましょう。

下記に行動規範は丸紅グループ(http://www.marubeni.co.jp/)のコンプライアンスマニュアルに記載されているものであり、シンプルかつ芯を突いた行動規範で参考になる例です。

『正義と利益のどちらかを取らねばならない状況に遭遇したら、迷わず正義を貫け』

※丸紅グループホームページ、コンプライアンスマニュアル(http://www.marubeni.co.jp/company/governance/measure/compliance/manual/)より抜粋

つまりは、目先の利益のとらわれず、コーポレートブランドとお客様からの信頼を維持するため、時には自社にとって不利になるような選択もいとわないという意味です。

行動規範とはこのように、長々と書き連ねる必要はありません。企業や従業員が分かれ道に立った時、道標になるような規範があればいいでしょう。

他社の行動規範も確認してみましょう↓

雪印メグミルクグループ(http://www.meg-snow.com/corporate/conduct/)

Fujitsu Japan(http://www.fujitsu.com/jp/about/philosophy/codeofconduct/)

行動基準

一方行動基準とは、作成した行動規範を具体的に(具体例を混ぜつつ)記し、時に現場レベルまで落とし込んで作成する基準です。企業や従業員の、お客様や取引先といったステークホルダーへの姿勢、責任の所在なども明確にしていきます。

できるだけ細かく明文化することで、グレーゾーンを排除するのがポイントです。

 

コンプライアンスマニュアル作成のポイント

次に、コンプライアンスマニュアルを作成する上でいくつかのポイント(注意事項)を紹介していきます。

例外は認めない

コンプライアンスマニュアルを作成する上で最も重要なのは厳格な姿勢です。例えばあるコンプライアンス違反が発生した際は、役職やケースに関係なく、違反を取り締まる必要があります。

コンプライアンス対応において一度例外を認めてしまうと、例外が例外でなくなり、違反が横行してしまうことが少なくありません。

従ってコンプライアンスマニュアル作成時から厳格な姿勢で取り組み、例外を認めてはいけません。

何事も明文化する

全ての法令は、かなり細かいところまで明文化しています。時に「ここまで書く必要はあるのか?」という、常識があれば当たり前のようなことも明文化しています。

それはなぜか?細かく明文化しなければ、法の抜け目を探して犯罪を犯す人が多くいるからです。そして、企業コンプライアンスにおいても同様のことが言えます。

様々な人間が交流する組織内では、「コンプライアンスマニュアルに記されていなかったから」という理由で、コンプライアンス違反を行う人も少なくありません。そうした違反を防ぐためにも、可能な限り細かく明文化することが大切です。

定期的な研修を行う

コンプライアンスマニュアルを作成して終わりではなく、その精神をしっかりと組織の隅々まで浸透させる必要があります。従って定期的なコンプライアンス研修は欠かせん。

四半期ごとに研修を行う企業が多いようですが、コンプライアンスマニュアル作成時はさらに短いスパンで行ってもいいでしょう。始めは1週間に1回の研修を行い、浸透度によって徐々にスパンを開けていくのがベストです。

相談窓口を設置する

最後に、コンプライアンス違反を必ず取り締まれるよう、相談窓口を設置するのは必須です。特に匿名性での報告を受けられるようにすると、コンプライアンス違反を大幅に減少させることができます。

また、従業員のコンプライアンスに対する素朴な疑問に答えられるようにしておくことも重要です。

 

まとめ

コンプライアンスに対する各企業の取り組みが始まったのは最近のことであるため、焦る必要はありません。大企業でもここ数年間でコンプライアンスマニュアルを作成している場合が多く、中小企業ではまだまだコンプライアンスが浸透していないのが現状です。

競合他社などがコンプライアンスマニュアルを作成しているのを見て、焦る気持ちもあるでしょうが、コンプライアンスマニュアルは「ただ作る」では意味がありません。

コンプライアンスが指すところを明確に理解した上で、従業員の行動基準になるような、実用的なマニュアルの作成を目指していただければと思います。

 

The State of Security 日本語版 ニュースレター